帰路に着こうと、職場の駐車場へ向かう私に悲劇が訪れる。
私の86が鳥の糞まみれである。私の宝物が台無しである。
コレは、酷い!
私の86の隣りに停めていた池田さんの86も、鳥の糞まみれである。
どうやら鳥の糞の被害は、私と池田さんの86の2台だけだった。
家に着くと私の86を見た嫁の第一声が、
「汚い、洗車したら?」
なんて、捻りの無いつまらない言葉なんだ。
私は、会話に少し拘りがある。
オチの無い会話は、私の耳を素通りしてしまう程だ。
私は次の休日に、行きつけのガソリンスタンドへ洗車の予約を入れる。
鳥の糞は、そのまま放置すると車の塗装を侵す事を私は知っている。
とても危険なモノだ。
雨でも降ってくれれば良いのだが、世の中そんなに上手くはいかない。
洗車当日ガソリンスタンドが開く前から、ガソリンスタンドにスタン張る私と86。
ガソリンスタンドのお姉さんにも、
「コレは、酷いですねー。」
私はコレ以上無い程の重圧をかけ、洗車を丁寧にお願いする。
小1時間もしないうちに洗車が終わる。
綺麗になった86を見て、ニヤける自分が恥ずかしい。
帰り道、心なしか86の調子が良くなった気がする。
が、私が調子に乗るとお巡りさんに捕まったり、事故ったりしてしまう。
躍る心を抑えて、帰路に着く。
早くコロナウイルスが収束し、再び平穏な日常が戻る事を心から願う。