私の86感

86のある暮らし

ブラックベンツ

沼津からの帰り道高速道路にて、猛スピードで私の86に迫って来る黒い車。抜かれ際、テールのエンブレムを確認するとベンツだった。私は距離を空けて、ブラックベンツの後方に付く。ブラックベンツは私にとって、とても良いペースメーカーとして走ってくれている。しばらく追走していると、ブラックベンツは私に気付いたのか加速する。私も、置いて行かれない様ギアを4速まで落としアクセルを踏み込む。86のスーパーチャージャーが唸る。5速、6速とギアを上げスピードが乗る。

しばらくすると、対面通行になる。

私が沼津に来る度、沼津〜富士間は対面通行だ。いつになったら、対面通行は無くなるのだろう?道路公団の方々も、頑張ってくれているのだろうが。

対面通行が終わると、ブラックベンツは再び加速する。私の86も負けじと加速する。

お互いがお互いを刺激し、過激な走りになる。

これ以上は痛い目に合うとは分かっていても、良い歳をしたオッサンが止められない。

そんな時、私の頭の中を不安が過ぎる。

タイヤの溝が無い!

私は、次に履くタイヤを何にするか悩んでいる最中だった事を思い出す。贅沢な悩みではあるが、まさかこんなタイミングでっ!

私は、アクセルを緩め始める。

ブラックベンツが、どんどん小さくなって行く。

私は、ガルーダの蒲生の言葉を思い出す。

「勝った負けたじゃないんだ。あの時間を過ごせた事が幸せだったと言ってるんだ。」

f:id:hide0406:20191113165858j:image