12月も半ば頃、総走行距離を見るとエンジンオイルの交換時期が来ていた。
内山に、エンジンオイル交換ごときでは引取に来れないと断られて以来、私の思春期時の遊び場だったユニオンモータースにてエンジンオイルの交換を行なっている。
エンジンオイルは、アウトシュピールの代表取締役の加藤さんが選定してくれている。ガラが悪い為、誤解されがちだが信頼の置ける人間だ。今回ラインナップされたエンジンオイルは新商品だ。
前回のエンジンオイルは体感できる素晴らしいモノだっただけに、今回も期待してしまう私がいる。
オイル交換当日、加藤さん自らがエンジンオイルを配達してくれると言う。
休日の朝、ユニオンモータースへ向かう途中、強引な割り込みをされ、私は苛立つ。
割り込みをされた車と横並びになり、運転手を目視するとコチラを気にもせず、パンを食べながら運転していた。世間ではながら運転で騒いでいるが、パンを食べながら運転している彼は、そんな事は御構い無しである。
そんな輩に理不尽にぶつけられては、私の86が可哀想である。
私はその車から離れて運転する。
ユニオンモータースへ着くと、智久君が笑顔で招き入れてくれた。
世間話をしながら、加藤さんの持って来るエンジンオイルを待つ。
朝からエンジンオイルを持って来てくれる加藤さん。偉くなっても、フットワークの軽さは変わらない。そんなカレは、尊敬に値する。
エンジンオイル&エレメントを交換中、加藤さんは今回のエンジンオイルの説明をしてくれた。
今回のエンジンオイルには、添加剤が入っているらしい。そして、エンジンオイルの色はグリーン。
ブラックライトを照らすと、エンジンオイルが光る。オイル漏れ箇所の早期発見に、役立つらしい。そんなトコまで気にかけて造られたエンジンオイル。メーカーの商品に対しての情熱を感じた。そして、この新商品のエンジンオイルは日本では、私の86が初めてらしい。冗談は言うが、嘘は付かない加藤さん。私は少し嬉しくなる。コレは、期待できそうだ。
エレメントは、TRDを選択。私の86は、殆どの改造パーツがHKSとTRDである。次回のエンジンオイル交換時は、HKSのオイルエレメントを試してみようか?
エンジンオイル交換も終わり、早く86を走らせたいと支払いを済ませ、ユニオンモータースを出ようとすると、加藤さんにオイルメーカーのステッカーを渡される。貼れと言う事か?
車や単車にあまりステッカーを貼りたくないが、先輩にNOと言えない私がいる。
私が先輩にNOと言える日は、来るのだろうか?
早る気持ちを落ち着かせながら、86を走らせる。警察に切符を切られては、辛くなってしまう。
低回転で走行しても、前回のエンジンオイルとの違いが分からない。
しかし高回転まで回した時、前回のエンジンオイルよりもエンジンが軽く回る様な気がする。高回転でのレスポンスが良くなったのか?
このエンジンオイルは、私の様な高速道路やサーキット場を多用する車に適用しているのだろう。
明日の通勤が楽しみで、しょうがない。