池田さんが私の86を動かした時、
「直ぐでは無いが、そろそろクラッチ交換を考えた方が良い。」
と言われた。
池田さんは、クラッチペダルを踏んだだけでクラッチ残量がわかる兵だ。
私の86も、13万キロ弱走っている。
私の周囲で私より距離を走っている86が居ない為、指標にするべき距離が分からない。
毎日、クラッチの不安と闘いながら86を走らせている。
私はノーマルクラッチか社外の容量の大きいクラッチに取り換えるべきか悩む。
私は、困った時の佐藤商会へ相談する。
佐藤商会に詳細を伝えると、今回はノーマルクラッチ交換を薦められる。
頼りになる佐藤商会。
が、私はHKSのLAクラッチが、どうにもこうにも頭から離れない。
それからしばらくして、悲劇は突然やって来る。
とある土曜の夜、実家に用事があり私の愛機86を走らせる。クラッチを踏むといつもとは違う違和感がっ‼️
気のせいだと自分の心に嘘をつき、実家へ向かう私。
バイパスを下りる頃、信号機で86を止めるとエンストしてしまう。焦る気持ちを抑えて、クランキングする私。
どうにかこうにか実家に着く。
私は、私の86の整備を任せている内山に電話する。
「86のクラッチが逝った。」
返す言葉で内山がっ、
「保険の特約にレッカーが付いているので、保険屋に連絡して下さい。」
車屋としては満点の応答だが、人としては疑問が残る。
私は内山に、HKSのLAクラッチを86に取り換えたい旨を伝える。
そうこうしているうちに、レッカーが来る。
レッカーの丁寧な対応に、私は感動を覚える。
内山にも、是非見習って欲しいモノだ。
86を見送り、後日内山が用意した代車ライズに感動する。新しい車は全てが新鮮だ。私の知らない機能が満載だ。ライトがオートで付いたり、ドアミラーに車接近のランプが付いたりと驚きを隠せない。
私の周囲の人間の中には、最近の車は高過ぎると不平不満を言う輩もいるが、私から言わせればこれだけの機能が付きながらの、この価格は自動車メーカーの頑張りを感じられる。
クラッチ交換を待つ事3週間。
私の86が復活する。
HKS LAクラッチ、純正のクラッチと比較すると少々クラッチペダルが重い気がする。
坂道発進の自信を失う自分がいる。コレは、自分の慣らしが必要である。
クラッチが無くなった時、メーターを見ると168000キロだった。自分の想像する距離を遥かに上回るクラッチの持ちの良さに感謝した。