嫁が2週続けて、海に行きたいと言い出した。
私は、フッと御朱印収集家の池田さんの言葉を思い出す。
私は嫁に
「油山寺に行く!」
と告げる。私には、嫁の想像を超えなければならない責務がある。
私は、真夏の熱に温められた86に乗り込む。
まるで、サウナの状態だ。
とりあえず腹拵えに、焼肉屋さんを目指す。
嫁が焼肉が食べたいと聞くのは、私が嫁と出会って5年以上経つが、コレが2度目だ。
嫁が選択した店が、近所にある火の蔵だ。
値段はリーズナブルな割に、良質な肉だった。
私達は、油山寺を目指す。
道中、順調に進むも86のエアコンの効きが弱い。
私は、汗をかきながら86を運転するも助手席の嫁は、冷ややかだ。
私は嫁に、暑くないのか?と尋ねる。
すると、嫁は全然と答える。
私の代謝が上がっているということか?
私は嫁と結婚する時に
「デブとハゲはイヤだ!」
と断言されている。
故に私は日々、トレーニングを欠かさないし、食生活にも気を遣っている。
そうこうしているうちに、油山寺に着く。
私の記憶の中に残る油山寺は、小学校の遠足に来た時の事だ。
あの時の私は、寺社よりも城に夢中だった。
私は步を進める。
私は、幼き頃気付けなかった油山寺の素晴らしさに気付く。
そして、愛煙家への気遣いが素晴らしい。
私達は御朱印と厄除を拝借し、油山寺を後にする。
帰り道、嫁が野菜を買いたいと言う。
嫁がファーマーズマーケットに寄りたいと言う。
嫁は有難い事に、良く私の体調管理に気遣ってくれている。
そして、私の家に来てくれた厄除の雷神様。