私の86感

86のある暮らし

初めての敗北

ある仕事帰りの時の事である。

私は、普段どおり制限速度を守り安全運転に努めていた。ルームミラー越しに、異常なスピードで迫って来るヘッドライトが映る。

私は直ぐに左端に寄せると、物凄い勢いで追い抜いて行ったが、信号待ちで追いついてしまった。

どうやら、行き先が一緒らしい。

高速道路に乗ると、異常な加速で走り去って行く。

私は、86の可能性を信じてアクセルを全開にした。しかし、前の車は小さくなるばかり。

「何て加速をする。性能差か!」

私が追いかけてるのに気付いたのか、前の車はスピードを緩めた。やっと追いついたかと思ったが、前の車はまた異常な加速で、走り去って行った。久しぶりの屈辱だった。

「次は、負けないぞ!三本槍のエンブレム」

私は帰って直ぐに、三本槍のオープンカーをネットで検索する。

マセラティのグランカブリオという車だった。

次の日、元走り屋の池田さんにこの話をして

「金にモノを言わせやがって!」

と私が愚痴ると池田さんは

「お前が言うな!」

と怒られてしまった。

確かに私の86も、お金がかかっている。

私は、大人しく納得した。

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好敵手

私が86に乗り始めた時から、ライバルがいる。

私が、勝手に思っているだけの話だが。

同じ職場の西尾君だ。

彼も、中古車で86を購入したのだが、私の86とは別格だった。

彼の86は購入した時から、スーパーチャージャーが装着されていてサスやホイール、そしてコンピュータ等が社外品に交換されていた。

もうすでに、ある程度完成されていたのだ。

故に、ノーマルの86やノーマルに近い仕様の86のオーナーと話をする時、上から目線になる。

本人は、気付いていないようだが。

そんな西尾君も、私が86にスーパーチャージャーを搭載した頃から、私に対して上から目線では無くなった。認めてくれたというトコだろうか?

そして、西尾君も私との勝負の対策かどうか分からないが、リヤスポイラーを取り付けた。高速での直進安定性が増すらしい。本人は、未だ実感が無いらしいが。

西尾君が指定した決戦のステージは富士スピードウェイだが、どうやったら富士スピードウェイで勝負ができるのか、皆目見当もつかない。

逃げるのか、西尾!

彼は、車の性能の数字で勝敗を決する節がある。

私からすると滑稽な事なのだが。

私は知っている。どんなに優れた車も、扱うドライバーの技術が無ければ、無用の長物になってしまう事を。

最近では、86でのツーリングに誘っても断られてしまう始末。

私の86の何に、恐れをなしているのか謎である。

そして、私には車の事で理解できない人種がいる。車の走行距離が伸びるのを嫌がる人種である。

私は、走行距離が伸びる事に誇りを持っている。

走行距離は、私との付き合いの長さだと思っているからだ。しかし、西尾君筆頭に走行距離が伸びるのを嫌がる人種は、売る時に査定が下がるとか勿体無いである。

車で楽しむ前に売る事を前提にしているとは、愚かとしか思えない。

私が朽ちるのが先か、86が朽ちるのが先か楽しみである。

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岡崎城

とある休日に、嫁を誘って86でドライブに出掛けた。嫁は、仕事に病んでいた。息抜きが必要だと、私は察した。

さて、何処へ行こうか?

私は幼き頃から、城が大好きである。理由はたくさんあるが、大概旅行やドライブは城を絡める。

今回私が数ある城の中から選んだのは、岡崎城だった。

嫁には、行き先を告げず出掛ける準備をさせた。

私は、86にスーパーチャージャーを搭載してから、ガス欠にビビっている。

私の感覚では、ノーマルの車は貧乏ランプが点灯してから、大体100キロぐらいは走るだろうと思っている。それには私なりの理論があり、高速道路の給油箇所は大体50キロおきにあり、貧乏ランプが点灯してから、ガソリンスタンドを探して1回目を見逃しても、2回目で給油できるようにメーカーは考えてくれていると、勝手に思っている。確信はないが。

しかし、スーパーチャージャー&フューエルアップグレードを取り付けてセッティングを出した私の86には、最早その理論は通用しない。

私は86に嫁を乗せて、ガソリンスタンドへ向かった。勿論、ハイオク満タンだ。

そして、高速道路へ。

祝日だというのに、高速道路は空いていた。

が、こういう時に限って覆面パトカーに遭遇する事を私は知っている。

私は、ゴールド免許を所持している。ゴールド免許取得までの道程は、とても険しかった。故に、何としてもゴールド免許を死守しなければならない。

私は、苦労して得たモノ程大切にする傾向にある。

私は、安全運転に努めた。

岡崎城へ着く頃には、ものすごい猛暑になっていた。

岡崎公園でまず目に入ったのは、三河武士のやかた家康館だった。早速入館して驚いたのは、家康館と謳っているのにもかかわらず、平家物語関連が展示されていた。その先へ進んで行くと家康関連が展示されていた。体験コーナー等もあり主催者の気持ちが伝わる。贅沢を言えば、もう少しお土産物に力を入れて欲しかったのが残念だ。

家康館を出ると、徳川グレート家康&その仲間達と遭遇した。岡崎城を盛り上げる為に、暑い中頑張っていた。私は、その頑張りに応えるかの様に記念撮影をお願いした。徳川グレート家康さんは、心良く撮影に応じてくれた。徳川グレート家康さん達は、人気があるらしく追っかけの女子達までいた。

そして、奥へ進むと現れたのは岡崎城

子供の頃、両親と来た時と雰囲気が違っていた。私の記憶違いかもしれないが。

入城すると徳川家康だけではなく、廃藩置県までの城主や岡崎の色々な出来事が資料で残されていた。

城の1階は冷房が効いていたが、上に上るに連れて暑さが増す。そして、帰り際に見かけたポスターにお城のスタンプラリーが記されていた。

「今年も、挑戦してみるか?」

そう嫁に告げた。

お昼も過ぎ暑さにも絶えられなくなり、避暑も兼ねて昼食をとりに辰巳へ。

私はここ数年、西へ旅や旅行に出かけると結構な頻度で辰巳へ寄る。

このお店は、単車のツーリングチームの仲間の一人が紹介してくれた。

私は、このお店でいつも旬定を頼む。とても美味である。

そして、明るいうちに帰路に着いた。f:id:hide0406:20180723152647j:imagef:id:hide0406:20180723152703j:imagef:id:hide0406:20180723152716j:imagef:id:hide0406:20180723152733j:imagef:id:hide0406:20180723152801j:imagef:id:hide0406:20180723152811j:imagef:id:hide0406:20180723152841j:imagef:id:hide0406:20180723152911j:imagef:id:hide0406:20180723152931j:imagef:id:hide0406:20180723152942j:imagef:id:hide0406:20180723152953j:image

悪夢再び

内山の在籍する店に、MCBを取り付けてもらった時の事である。

納車が夜だった為、朝イチ86の確認をした。

私は前回の飛び石事件の教訓を得て、引取前に洗車をしながら、ボディーの傷の確認をしていた。

帰って来た86の助手席には、3箇所の凹みが確認された。

私は直ぐに内山にラインで画像を送った。

案の定、内山は

「洗車した時にはありませんでした。」

この店は、謝るなと教育されているのだろうか?

私は、この店に不信感を持たざるを得ないでいる。

納車されて、一晩で凹みができるとは考えにくい。

飛び石の様な傷でも無い。だから、納車中につけられた事も考えにくい。不思議な話だ。

店で修理代を持つ事で話はついたが、納得&修理はできていない。しかし、職業上車屋を変える事ができない。理不尽な話である。

内山は、私の数少ない後輩である。

私が強く物事を言うと、弱い者イジメしている様で情け無くなってくる。どうしたモノか?悩む。f:id:hide0406:20180716223859j:image

MCB

私は前々から、TRDのMCBが気になっていた。

スーパーチャージャーを搭載してから、多少だが振動が気になっていたが、我慢出来ない程では無かった。

私の中では、何かを得るには何か失わなければならないと思っている。絶大なパワーを手に入れたのだから、多少の振動は仕方ないと考えている。

しかし、軽減できるのなら試してみたいと思う。

私は早速内山に、86にMCBを装着する旨を伝えた。

すると内山は

「MCBって何ですか?」

などと蚊の抜けた返答。

私は

「モーション コントロール ビームですけど。内山〜しっかりしてくれよ。」

私はこの時、この後起こる悲劇に気付けてはいなかった。

そして数日後、作業は行われた。

私の感覚としては、多少の振動は治った。しかし、元々そんなに気にしていなかった為、振動に対しての効果はそんなに感じなかった。

しかし、カチッとした感じがした。これが、剛性が上がった感じなのかと思った。f:id:hide0406:20180715222844j:image

スーパーチャージャー

86にスーパーチャージャーを搭載してから、私の慣らしも兼ねて様々なステージを走り込んでみた。

とにかく、乗り易い。まるで、純正のようだ。

ターボのような暴力的な加速は無いが、全体的に速くなっている。素晴らしい!

そして、坂道発進が安心してできる。失敗する気がしない。

しかし公道で全開できる程の技術を、私は持ち合わせてはいなかった。

私は、益々サーキット場での走行会が楽しみになった。

話は変わるが、先日スーパーチャージャーを搭載してから、初めてバトルを挑まれた。

私は、普段通り安全運転で86を走らせていると猛スピードで走り迫ってくる車がいた。BRZだ!

BRZに対して、何か気に喰わない事をしたのか?自問自答する私がいた。

道を譲ると、BRZはスピードを緩めた。

BRZが私を挑発している様に思えてならなかった。

私は心の中で

「付いて来られるのかい?こちらは、スーパーチャージャーを搭載しているよ。」

と呟いた。

スーパーチャージャー搭載車とノーマル?の差を実感したかったのかもしれない。

私は一旦5速に落としアクセルを踏み込み、6速に入れる。暫く走行すると、ルームミラー&ドアミラーにBRZの姿は無かった。

スーパーチャージャー恐るべし。f:id:hide0406:20180715012118j:image

飛び石?

内山の在籍しているお店に、オイル交換を依頼した時の事である。

いつも内山の都合上、引取・納車は夜である。

納車後数日が経ち、買い物に出掛けて車に乗り込む時に気付いてしまった。

ドアノブ付近に、塗装の欠けを発見。

すぐさま、内山に写メを送る。

しばらくすると、内山から返事が

「ウチで洗車した時はありませんでしたよ。傷があったら、気付きますよ。」

との事。

私は心の中で

「絶対、お前じゃ気付かねーよ。」

と思った。

続けて内山は

「飛び石じゃないですかね?」

などと言う始末。

フロントバンパーやフード、フロントガラスやルーフの前面に飛び石があるのは納得できるのだが、運転席ドアのドアノブ付近の傷が、飛び石とはどうしても納得いかない。

が、納車後数日経っている事と内山の普段の頑張りを考慮して、タッチペンで我慢する事にした。

故意で無いにしても、正直に話してもらいたいと思う。気付かなかった事に。f:id:hide0406:20180710203349j:image