私の86感

86のある暮らし

現金な内山

私はTRDのカタログを見た時から、気になっているパーツがある。

ラテラルリンクセットというパーツだ。

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クイックなハンドリングを実現するらしい。私にとって、とても魅力的だ。

私は、内山に依頼する為LINEする。3分もしないうちに私のスマホが鳴る。オイル交換を依頼した時は、1週間も放置してくれたのに、金額が高いと迅速に動くとは、全く以って現金なヤツだ。

内山曰く、年内に作業すると言う。私は、そんなに焦っていない事を伝える。そして、少し早いが1年点検も依頼する。フロントタイヤが不安な為、早めにタイヤローテーションをしたかった。

数日すると内山から、連絡が来た。

ラテラルリンクセットは、工賃が部品代を上回ると言う。

私は、みんカラでラテラルリンクセットの工賃を調べてみる。

工賃込みで、64,800円とある。

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内山が話す見積もりと大幅に金額が違う為、私は内山にストップをかける。

すると内山は、直ぐにこの金額付近でやらせて貰いたいと言ってくる。

私は内山が、味方なのか敵なのか困惑する。

1年点検&TRDラテラルリンクセット取付前夜、内山は代車のアクアに乗って現れた。

金額を再度確認すると、内山は自身の勘違いで多額の金額を提示した事を陳謝した。

私は、86を内山に預けて眠りにつく。

私はTRDラテラルリンクセット取付後、86がどの様な走りを魅せてくれるのか期待が膨らむ。みんカラにて検索するも、体感できるレベルだと多数謳っていた。

次の日の夜、内山は私の86に乗って現れた。

内山は満面の笑みで、第一声

「タイヤ、マジヤバいッス!溝、無いッス。」

私も、薄々気付いていたよ。

次の日通勤にて86を走らせてみるも、私には違いが全くわからない。

私のドライビングテクニックが未熟なのか?

私は、サーキット場を無性に走りたくなる。

取り敢えず、タイヤを新調してからだな。

私は、何気に1年点検の記録簿に目を通す。

ん?

私の86はマニュアル車である。しかし、記録簿のクラッチの欄は訂正と斜線が引いて有り、クラッチが無い事になっている。

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私は、不安になり内山に確認する。

内山は、陳謝する。

謝ってばかりの内山が哀れに見えて、私は怒る気も失せる。ただ、不安が増すばかりだ。

ガンバレ!内山。私が見限るまで。

 

 

令和元年、最後の洗車

私は、年末に行きつけのガソリンスタンドにて、朝イチ洗車を予約していた。

朝起きると、雨が降っていた。

私は、ガッカリした。が、気を取り直しガソリンスタンドへ向かう。

ガソリンスタンドへ着くと、毎度御馴染みの店員が私を出迎えてくれる。

86を預けて待合室で一服していると、店員が話しかけてくる。

フロントガラスの油膜取りとガラスコーティングをした方が宜しいかと。

私は、現車確認をしに86の元へ歩み寄る。

運転中等、フロントガラスの油膜を気にした事は無かったが、油膜が蓄積し鱗になってはたまらない。

私の仕事場の隣で伝説の走り屋池田さんが、静岡県東部の中古車のガラスの鱗と闘い、悲鳴をあげているのを、度々聞いていた。

私は保険の為に、油膜取り&ガラスコーティングを依頼する。

私は洗車を依頼する度に、ガレージが欲しくなる。

私の財力の無さを嘆く。

2時間程経つと作業を終えた店員が、今回の作業の説明と精算をしに現れる。

私は精算を済ませて、86にハイオク満タンを振る舞いガソリンスタンドを後にする。

私は年末になると86とCBに感謝する習性がある。

今年、無事故無違反無故障で過ごせた事に。

そして今年も、生き残れた事に。

今年で、私の厄が終わる。来年は私にとって、飛躍の年にしたいと思う。

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恐怖の煽り運転現る

冬場の早朝、世間は日曜日だというのに私は仕事だった。

いつもの如く86で通勤している時に事件は起こった。ある信号機のある交差点を右折しキープレフトを守り、制限速度で運転しているとシルバーのワンボックスカーがスピードを上げて私を追い越す。

私は、急いでいるのか?この先は峠道だぞ!と思い安全運転を心懸ける。

するといきなり私を追い越したシルバーのワンボックスカーが、急減速を始めた。

故障でもしたのか?と思わせる程の急減速ぶりだ。

峠道に入ると、中央線を超えての蛇行運転が始まる。

私は気付く。コレは、今話題になっている煽り運転ではないか?

私は、恐怖に駆られる。

シルバーのワンボックスカーは、しばらく蛇行運転が続いた後、峠道の真ん中で停車した。

私が、ニュースで目にした光景が今目の前で行なわれている。私の予想が、確信に変わる。

私は、コメンテーターが言っていた言葉を思い出す。

「一刻も早く現場から、離れる事をオススメします。」

しかし、場所は峠道。

対向車が来ているのか?来ていないのか?確認に困る。悩んでいる暇は無い!

私は、運を天に任せシルバーのワンボックスカーを追い越す。

運良く対向車は来ておらず危険を回避するが、まだ安心はできない。追い掛けられる可能性があるからだ。

私は、交通法規を守りながらも極力早く先を急いだ。確かこの時間は、小学校の前の横断歩道に毎朝お巡りさんが立っていた筈だ!しかし、今日は日曜日だという事に直ぐ気付く。学校は休みだ。私の思い通り案の定、お巡りさんは立っては居なかった。私は、更に先を急ぐ。会社に着けば、会社の仲間が助けてくれると考えたからだ。

ルームミラー&ドアミラーにて、後方を確認してもシルバーのワンボックスカーの姿は無かった。

しかし、私はまだ安堵する事が出来ない。

会社が見えると、ようやく私の心は安堵した。

助かった。私は、恐怖から解放された。

私は会社に着くと、周囲の同僚にコノ話をした。

「シルバーのワンボックスカーには気を付けろ!」と。

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4ヶ月に1度のオイル交換

12月も半ば頃、総走行距離を見るとエンジンオイルの交換時期が来ていた。

内山に、エンジンオイル交換ごときでは引取に来れないと断られて以来、私の思春期時の遊び場だったユニオンモータースにてエンジンオイルの交換を行なっている。

エンジンオイルは、アウトシュピール代表取締役の加藤さんが選定してくれている。ガラが悪い為、誤解されがちだが信頼の置ける人間だ。今回ラインナップされたエンジンオイルは新商品だ。

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前回のエンジンオイルは体感できる素晴らしいモノだっただけに、今回も期待してしまう私がいる。

オイル交換当日、加藤さん自らがエンジンオイルを配達してくれると言う。

休日の朝、ユニオンモータースへ向かう途中、強引な割り込みをされ、私は苛立つ。

割り込みをされた車と横並びになり、運転手を目視するとコチラを気にもせず、パンを食べながら運転していた。世間ではながら運転で騒いでいるが、パンを食べながら運転している彼は、そんな事は御構い無しである。

そんな輩に理不尽にぶつけられては、私の86が可哀想である。

私はその車から離れて運転する。

ユニオンモータースへ着くと、智久君が笑顔で招き入れてくれた。

世間話をしながら、加藤さんの持って来るエンジンオイルを待つ。

朝からエンジンオイルを持って来てくれる加藤さん。偉くなっても、フットワークの軽さは変わらない。そんなカレは、尊敬に値する。

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エンジンオイル&エレメントを交換中、加藤さんは今回のエンジンオイルの説明をしてくれた。

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今回のエンジンオイルには、添加剤が入っているらしい。そして、エンジンオイルの色はグリーン。

ブラックライトを照らすと、エンジンオイルが光る。オイル漏れ箇所の早期発見に、役立つらしい。そんなトコまで気にかけて造られたエンジンオイル。メーカーの商品に対しての情熱を感じた。そして、この新商品のエンジンオイルは日本では、私の86が初めてらしい。冗談は言うが、嘘は付かない加藤さん。私は少し嬉しくなる。コレは、期待できそうだ。

エレメントは、TRDを選択。私の86は、殆どの改造パーツがHKSとTRDである。次回のエンジンオイル交換時は、HKSのオイルエレメントを試してみようか?

エンジンオイル交換も終わり、早く86を走らせたいと支払いを済ませ、ユニオンモータースを出ようとすると、加藤さんにオイルメーカーのステッカーを渡される。貼れと言う事か?

車や単車にあまりステッカーを貼りたくないが、先輩にNOと言えない私がいる。

私が先輩にNOと言える日は、来るのだろうか? 

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早る気持ちを落ち着かせながら、86を走らせる。警察に切符を切られては、辛くなってしまう。

低回転で走行しても、前回のエンジンオイルとの違いが分からない。

しかし高回転まで回した時、前回のエンジンオイルよりもエンジンが軽く回る様な気がする。高回転でのレスポンスが良くなったのか?

このエンジンオイルは、私の様な高速道路やサーキット場を多用する車に適用しているのだろう。

明日の通勤が楽しみで、しょうがない。f:id:hide0406:20191216153021j:image

 

 

 

 

悪意のある走り

とある会社の帰り、高速道路の追い越し車線を走行していると、奇妙な走りをする後続車に気付く。

86に近付いては、離れる。これを、幾度と無く繰り返す。

私は、後続車をパトカーもしくは覆面パトカーと予想し、一般車線に移る。しかし、後続車は86を抜きに掛かる訳でも無く、一定距離の間隔をとりコチラの様子を伺っている。

私の予想は、確信に変わる。そして、不安に変わる。いつ赤灯が回り出すか、ルームミラーから目が離せない。

そんな状況が暫く続くが、赤灯が回る気配が無い。

私は後続車に気を配りながら、追い越し車線に86を移し徐々にアクセルを開けて行く。それでも、後続車は変わらずの走りをして来る。

私はゴールド免許を死守する為、止むを得ず一般車線に再び移る。私が低速走行をすると、後続車はようやく私の86を抜きに掛かる。

後続車に抜かれ様、車両を確認するとやはり紺のクラウンだった。覆面かっ?と車内を確認する事ができなかった。

そして、私の降りるスマートインターで紺のクラウンも降りる。

私は、赤灯が回らないか不安でしょうがない。

うん?会社の上司の鈴木さん?

「マジかっ!ヤラれた。」

翌朝会社にて、鈴木さんに尋ねると、

「86が先導してくれると、家に早く着くよ!」

私は、

「悪意のある走りを、止めてもらっていいですか?もしくは、車両を変えてください。」

とお願いするが、笑われて会話が終わってしまった。暫く、恐怖を感じながら帰宅する事になりそうだ。

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クラッチへの不安

喫煙所での西尾君との会話が、私を不安にさせる。

西尾君

「最近店に86を出した時に、クラッチ減って来てますね。と言われた。」

と言う。

クラッチの繋がりが、ペダルを踏んだ時に手前で繋がるとクラッチが減って来ているという仕組みらしい。

私の86は、11万キロ走っている。西尾君の86の走行距離を遥かに凌ぐ。

私は、意識して86のクラッチ操作を行う。

滅茶苦茶手前で、クラッチが繋がる。

これは、末期症状なのか?それとも、まだイケるのか?

私は直ぐにネットで検索するも、納得できる答えは得られない。

私は、不安を抱えながら86を運転している。86を全然楽しめていない。

どのタイミングで、クラッチを交換して良いのか?私を悩ませる。

ミッションを降ろしてクラッチの残量を確認する程、私は暇では無い。

私は純正のクラッチ〜社外のクラッチ迄、色々とネット検索するも決め兼ねる。

活字のマジックが、私の決断を揺るがす。

人の話には防御が働くが、活字だとすんなりと信じてしまう。私は、意識して活字にも防御を働かせている。

更にネットは、全てが嘘とは言わないが絶妙なトコを突いてくる。しかも、ドコの誰が書いた物か分からない。

結局は、信頼の置ける人間の言葉が私を動かす。

86の事に関して、私の絶大な信頼を得ている佐藤商会の言葉が私の背中を押してくれるのだろうと思う。

翌日、会社へ行き元伝説の走り屋池田さんに相談すると、池田さんが私の86のクラッチ残量を感覚で確認してくれた。

「後5万キロは持つね!」

信用できる人の言葉は、絶大な力を持つ。

私の不安は、その一言で消し飛んだ。

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ブラックベンツ

沼津からの帰り道高速道路にて、猛スピードで私の86に迫って来る黒い車。抜かれ際、テールのエンブレムを確認するとベンツだった。私は距離を空けて、ブラックベンツの後方に付く。ブラックベンツは私にとって、とても良いペースメーカーとして走ってくれている。しばらく追走していると、ブラックベンツは私に気付いたのか加速する。私も、置いて行かれない様ギアを4速まで落としアクセルを踏み込む。86のスーパーチャージャーが唸る。5速、6速とギアを上げスピードが乗る。

しばらくすると、対面通行になる。

私が沼津に来る度、沼津〜富士間は対面通行だ。いつになったら、対面通行は無くなるのだろう?道路公団の方々も、頑張ってくれているのだろうが。

対面通行が終わると、ブラックベンツは再び加速する。私の86も負けじと加速する。

お互いがお互いを刺激し、過激な走りになる。

これ以上は痛い目に合うとは分かっていても、良い歳をしたオッサンが止められない。

そんな時、私の頭の中を不安が過ぎる。

タイヤの溝が無い!

私は、次に履くタイヤを何にするか悩んでいる最中だった事を思い出す。贅沢な悩みではあるが、まさかこんなタイミングでっ!

私は、アクセルを緩め始める。

ブラックベンツが、どんどん小さくなって行く。

私は、ガルーダの蒲生の言葉を思い出す。

「勝った負けたじゃないんだ。あの時間を過ごせた事が幸せだったと言ってるんだ。」

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