私の86感

86のある暮らし

悪意のある走り

とある会社の帰り、高速道路の追い越し車線を走行していると、奇妙な走りをする後続車に気付く。

86に近付いては、離れる。これを、幾度と無く繰り返す。

私は、後続車をパトカーもしくは覆面パトカーと予想し、一般車線に移る。しかし、後続車は86を抜きに掛かる訳でも無く、一定距離の間隔をとりコチラの様子を伺っている。

私の予想は、確信に変わる。そして、不安に変わる。いつ赤灯が回り出すか、ルームミラーから目が離せない。

そんな状況が暫く続くが、赤灯が回る気配が無い。

私は後続車に気を配りながら、追い越し車線に86を移し徐々にアクセルを開けて行く。それでも、後続車は変わらずの走りをして来る。

私はゴールド免許を死守する為、止むを得ず一般車線に再び移る。私が低速走行をすると、後続車はようやく私の86を抜きに掛かる。

後続車に抜かれ様、車両を確認するとやはり紺のクラウンだった。覆面かっ?と車内を確認する事ができなかった。

そして、私の降りるスマートインターで紺のクラウンも降りる。

私は、赤灯が回らないか不安でしょうがない。

うん?会社の上司の鈴木さん?

「マジかっ!ヤラれた。」

翌朝会社にて、鈴木さんに尋ねると、

「86が先導してくれると、家に早く着くよ!」

私は、

「悪意のある走りを、止めてもらっていいですか?もしくは、車両を変えてください。」

とお願いするが、笑われて会話が終わってしまった。暫く、恐怖を感じながら帰宅する事になりそうだ。

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