私は、内山に謝らなければならなかった。
それは、前回内山のせいにしてしまった助手席ドアの傷を付けた犯人らしき人間が、分かってしまったのだ。
私は家に帰り、早速内山に電話した。しかし、内山は電話に出ない。
もう寝ようかと思った時に電話が鳴った。内山からだ。私は、空かさず電話に出た。
「内山さん、すいませんでした。」
そして理由を話、修理代も私が支払う旨を伝えた。
内山の胸中は分からないが、謝罪する事によって私の気は済んだ。
私の中で謝罪は、私の自己満足でしかないと考えている。誰もが、相手の胸中は分からないからだ。相手がいくら許したと言っても、心の底ではどう思っているか分からないモノである。
そして話しは変わるが、私はサスペンションの性能を最大限に発揮できると言われるTRDのメンバーブレースセットの取付を、内山に依頼した。サーキット走行前の最後の足掻きだった。
TRDのメンバーブレースセットを注文した後、TRDのサイトを詳しく見ていると、フロントストラットタワーバーを同時装着推奨と書いてある。
私は、慌てて内山にTRDのフロントストラットタワーバーも注文した。
取り付け後、高速道路や峠を走行してみた。違いは分かるのだが、表現の仕方が分からない。己の表現力の無さに嘆く。誰か、このセットを取り付けて表現してみて欲しい。