私の86感

86のある暮らし

沼津で馬刺し

職場の喫煙所で一服していると、上司の森さんからお盆休み前日の夜、馬刺しを食べに誘われた。

私は断る理由もなく、即答で合意した。

森さんは、沼津在住。

沼津と言えば魚貝類を連想するのだが、馬刺しとは面白いと思った。

私は仕事最終日、86にハイオク満タンを振る舞う。

理由は至って単純、私の自宅は浜松。浜松から沼津まで軽く100㎞はある。途中、ガソリンスタンドへ寄りたくはないのだ。

仕事が終わり、森さんの乗るパールのアリオンに誘われ沼津へ向かう。高速道路を走行中、雲行きが妖しくなってくる。そうだった。関東に台風が来ているのを忘れていた。パールのアリオンは、良いペースで走行する。後方から1台の車が、急激に迫って来る。私は一瞬パトカーか覆面かと思ったが、現行のプリウスだった。私と森さんは道を譲ったが、プリウスはあまりにも横暴な運転だった。そのうち、罰が当たるだろうと私は思った。

そして、沼津の宿に到着。宿は、東横INN富士山沼津駅北口1だ。ここの従業員の人達は、毎回暖かく迎えてくれる。私の常宿だ。

私はチェックインを終え、部屋のシャワーで汗と疲れを洗い流す。

私には、一抹の不安があった。1週間前から夏風邪をひいていた。ここではしゃいで、お盆休みが病欠になっては笑えない。

私は調子に乗らないよう心に誓った。

そして、スマホが鳴る。森さんからだ。

私は、宿を後にした。f:id:hide0406:20180810163424j:image

 

 

パールのクラウン

高速道路を走行していた時の事である。

私は、普段どおり安全運転に努めていた。

前方の車を1台追い抜くと、物凄い勢いで後ろに憑かれた。

ルームミラーを覗くと、パールのゼロクラウン。

私は覆面パトカーと思い道を譲ったが、後方のクラウンは私を追い抜きはせず、私の後方にピタッと貼り付いて来る。

赤灯は、回ってはいない。

知り合いかと思い、頭の中でパールのゼロクラウンに乗る知り合いを捜すが、思いつかない。

私は、アクセルを全開にする。

しかし、ルームミラーに映るパールのゼロクラウンの大きさは変わらない。

私の86よりクラウンのほうが速いのか?

そして、少し前の高速道路での事件が頭を過ぎる。

車を止められて、因縁をつけられてひかれるのか?

私の運転が気に入らないのか?

色々考え出した結論は逃げ切ろうと思い、周囲の車には申し訳ないが、過激に走り出した。

アクセルを踏み込み、右へ左へ障害物をかわしながら速度を上げて行く。

時間にして5、6分ぐらいだろうか?気付いたら、ルームミラーにパールのクラウンは映ってはいなかった。

私は普段の安全運転に戻り、高速道路を下りようとした時、物凄い勢いでパールのクラウンが走り去って行った。まだ、私の86を追いかけていたのか?

私は、少し怖くなった。

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初めての敗北

ある仕事帰りの時の事である。

私は、普段どおり制限速度を守り安全運転に努めていた。ルームミラー越しに、異常なスピードで迫って来るヘッドライトが映る。

私は直ぐに左端に寄せると、物凄い勢いで追い抜いて行ったが、信号待ちで追いついてしまった。

どうやら、行き先が一緒らしい。

高速道路に乗ると、異常な加速で走り去って行く。

私は、86の可能性を信じてアクセルを全開にした。しかし、前の車は小さくなるばかり。

「何て加速をする。性能差か!」

私が追いかけてるのに気付いたのか、前の車はスピードを緩めた。やっと追いついたかと思ったが、前の車はまた異常な加速で、走り去って行った。久しぶりの屈辱だった。

「次は、負けないぞ!三本槍のエンブレム」

私は帰って直ぐに、三本槍のオープンカーをネットで検索する。

マセラティのグランカブリオという車だった。

次の日、元走り屋の池田さんにこの話をして

「金にモノを言わせやがって!」

と私が愚痴ると池田さんは

「お前が言うな!」

と怒られてしまった。

確かに私の86も、お金がかかっている。

私は、大人しく納得した。

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好敵手

私が86に乗り始めた時から、ライバルがいる。

私が、勝手に思っているだけの話だが。

同じ職場の西尾君だ。

彼も、中古車で86を購入したのだが、私の86とは別格だった。

彼の86は購入した時から、スーパーチャージャーが装着されていてサスやホイール、そしてコンピュータ等が社外品に交換されていた。

もうすでに、ある程度完成されていたのだ。

故に、ノーマルの86やノーマルに近い仕様の86のオーナーと話をする時、上から目線になる。

本人は、気付いていないようだが。

そんな西尾君も、私が86にスーパーチャージャーを搭載した頃から、私に対して上から目線では無くなった。認めてくれたというトコだろうか?

そして、西尾君も私との勝負の対策かどうか分からないが、リヤスポイラーを取り付けた。高速での直進安定性が増すらしい。本人は、未だ実感が無いらしいが。

西尾君が指定した決戦のステージは富士スピードウェイだが、どうやったら富士スピードウェイで勝負ができるのか、皆目見当もつかない。

逃げるのか、西尾!

彼は、車の性能の数字で勝敗を決する節がある。

私からすると滑稽な事なのだが。

私は知っている。どんなに優れた車も、扱うドライバーの技術が無ければ、無用の長物になってしまう事を。

最近では、86でのツーリングに誘っても断られてしまう始末。

私の86の何に、恐れをなしているのか謎である。

そして、私には車の事で理解できない人種がいる。車の走行距離が伸びるのを嫌がる人種である。

私は、走行距離が伸びる事に誇りを持っている。

走行距離は、私との付き合いの長さだと思っているからだ。しかし、西尾君筆頭に走行距離が伸びるのを嫌がる人種は、売る時に査定が下がるとか勿体無いである。

車で楽しむ前に売る事を前提にしているとは、愚かとしか思えない。

私が朽ちるのが先か、86が朽ちるのが先か楽しみである。

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岡崎城

とある休日に、嫁を誘って86でドライブに出掛けた。嫁は、仕事に病んでいた。息抜きが必要だと、私は察した。

さて、何処へ行こうか?

私は幼き頃から、城が大好きである。理由はたくさんあるが、大概旅行やドライブは城を絡める。

今回私が数ある城の中から選んだのは、岡崎城だった。

嫁には、行き先を告げず出掛ける準備をさせた。

私は、86にスーパーチャージャーを搭載してから、ガス欠にビビっている。

私の感覚では、ノーマルの車は貧乏ランプが点灯してから、大体100キロぐらいは走るだろうと思っている。それには私なりの理論があり、高速道路の給油箇所は大体50キロおきにあり、貧乏ランプが点灯してから、ガソリンスタンドを探して1回目を見逃しても、2回目で給油できるようにメーカーは考えてくれていると、勝手に思っている。確信はないが。

しかし、スーパーチャージャー&フューエルアップグレードを取り付けてセッティングを出した私の86には、最早その理論は通用しない。

私は86に嫁を乗せて、ガソリンスタンドへ向かった。勿論、ハイオク満タンだ。

そして、高速道路へ。

祝日だというのに、高速道路は空いていた。

が、こういう時に限って覆面パトカーに遭遇する事を私は知っている。

私は、ゴールド免許を所持している。ゴールド免許取得までの道程は、とても険しかった。故に、何としてもゴールド免許を死守しなければならない。

私は、苦労して得たモノ程大切にする傾向にある。

私は、安全運転に努めた。

岡崎城へ着く頃には、ものすごい猛暑になっていた。

岡崎公園でまず目に入ったのは、三河武士のやかた家康館だった。早速入館して驚いたのは、家康館と謳っているのにもかかわらず、平家物語関連が展示されていた。その先へ進んで行くと家康関連が展示されていた。体験コーナー等もあり主催者の気持ちが伝わる。贅沢を言えば、もう少しお土産物に力を入れて欲しかったのが残念だ。

家康館を出ると、徳川グレート家康&その仲間達と遭遇した。岡崎城を盛り上げる為に、暑い中頑張っていた。私は、その頑張りに応えるかの様に記念撮影をお願いした。徳川グレート家康さんは、心良く撮影に応じてくれた。徳川グレート家康さん達は、人気があるらしく追っかけの女子達までいた。

そして、奥へ進むと現れたのは岡崎城

子供の頃、両親と来た時と雰囲気が違っていた。私の記憶違いかもしれないが。

入城すると徳川家康だけではなく、廃藩置県までの城主や岡崎の色々な出来事が資料で残されていた。

城の1階は冷房が効いていたが、上に上るに連れて暑さが増す。そして、帰り際に見かけたポスターにお城のスタンプラリーが記されていた。

「今年も、挑戦してみるか?」

そう嫁に告げた。

お昼も過ぎ暑さにも絶えられなくなり、避暑も兼ねて昼食をとりに辰巳へ。

私はここ数年、西へ旅や旅行に出かけると結構な頻度で辰巳へ寄る。

このお店は、単車のツーリングチームの仲間の一人が紹介してくれた。

私は、このお店でいつも旬定を頼む。とても美味である。

そして、明るいうちに帰路に着いた。f:id:hide0406:20180723152647j:imagef:id:hide0406:20180723152703j:imagef:id:hide0406:20180723152716j:imagef:id:hide0406:20180723152733j:imagef:id:hide0406:20180723152801j:imagef:id:hide0406:20180723152811j:imagef:id:hide0406:20180723152841j:imagef:id:hide0406:20180723152911j:imagef:id:hide0406:20180723152931j:imagef:id:hide0406:20180723152942j:imagef:id:hide0406:20180723152953j:image

悪夢再び

内山の在籍する店に、MCBを取り付けてもらった時の事である。

納車が夜だった為、朝イチ86の確認をした。

私は前回の飛び石事件の教訓を得て、引取前に洗車をしながら、ボディーの傷の確認をしていた。

帰って来た86の助手席には、3箇所の凹みが確認された。

私は直ぐに内山にラインで画像を送った。

案の定、内山は

「洗車した時にはありませんでした。」

この店は、謝るなと教育されているのだろうか?

私は、この店に不信感を持たざるを得ないでいる。

納車されて、一晩で凹みができるとは考えにくい。

飛び石の様な傷でも無い。だから、納車中につけられた事も考えにくい。不思議な話だ。

店で修理代を持つ事で話はついたが、納得&修理はできていない。しかし、職業上車屋を変える事ができない。理不尽な話である。

内山は、私の数少ない後輩である。

私が強く物事を言うと、弱い者イジメしている様で情け無くなってくる。どうしたモノか?悩む。f:id:hide0406:20180716223859j:image

MCB

私は前々から、TRDのMCBが気になっていた。

スーパーチャージャーを搭載してから、多少だが振動が気になっていたが、我慢出来ない程では無かった。

私の中では、何かを得るには何か失わなければならないと思っている。絶大なパワーを手に入れたのだから、多少の振動は仕方ないと考えている。

しかし、軽減できるのなら試してみたいと思う。

私は早速内山に、86にMCBを装着する旨を伝えた。

すると内山は

「MCBって何ですか?」

などと蚊の抜けた返答。

私は

「モーション コントロール ビームですけど。内山〜しっかりしてくれよ。」

私はこの時、この後起こる悲劇に気付けてはいなかった。

そして数日後、作業は行われた。

私の感覚としては、多少の振動は治った。しかし、元々そんなに気にしていなかった為、振動に対しての効果はそんなに感じなかった。

しかし、カチッとした感じがした。これが、剛性が上がった感じなのかと思った。f:id:hide0406:20180715222844j:image