私は86を買った時から、パワー不足が否めなかった。メーカーも、色々な事情や考えがあるのだろうが、スポーツカーと謳う以上はもう少しパワーがあってもいいと思うのだが。
そこで私は、過給機を付ける決意をする。
便利な世の中になったものだ。
ネットで検索すれば、大概の事がわかる。
私が自分なりに調べて、決めた過給機はHKSのスーパーチャージャーだった。
私は早速、佐藤商会へ行きその旨を伝えた。
すると社長は
「もうじき、HKSからターボがでるのでターボにしませんか?」
私は、その問いに迷いが生じてしまった。
私の中でターボは、とても魅力的だった。
一昔十年、二昔前にカルディナのGTTというターボ車を所有した事がある。
あの暴力的な加速は、とても魅力的だ。
しかし、スーパーチャージャーを搭載した車は未経験だった。そして、HKSのターボはこれからだ。それに対してスーパーチャージャーは、発売されて数年経過していて熟成されている。
悩みに悩んだ結果、スーパーチャージャーに飽きたらターボを取り付ける結論に至った。
佐藤商会に
「スーパーチャージャーで、出せるだけ馬力を出して欲しい。」
私の中でスポーツカーに乗る時点で、エコなんてクソ喰らえだ。
すると佐藤商会の社長は
「300馬力までですね。それ以上出すと、ミッションが逝きますね。」
続けて社長は
「因みに強化ミッションは、150万円です。」
私は、己の財力の無さを嘆いた。
しかし、これで西尾君と勝負できる。とても、楽しみだ。
そして、佐藤商会に86を預けて長い一週間が過ぎたのである。
ここで佐藤商会の良いところは、作業状況をブログに書いてくれる事だ。毎日、佐藤商会のブログを見るのが楽しみになる。
佐藤商会へ86を引き取りに行くと、社長が色々説明してくれた言葉の中に、
「コレはもう、チューニングカーだから。」
何て心地好い響きなのだろうか。身が引き締まる思いだ。
先ずは、私の慣らしだな。
私は、佐藤商会を左折した。