私の86感

86のある暮らし

ゴールドのレクサスSCと黒人はベストマッチ?

週末の仕事帰り、私は足早に86を走らせていた。

何しろ明日は休みだ。何処へ86でドライブしようか、考えていると自然と笑みが溢れる。

足早と言ったが、しっかり法定速度を守り一般車線を走行していた。

追越車線に移り走行していると、前の車がゴールドのレクサスSCだった。

私はテールを眺めながら、昔2代目のソアラに憧れていた事を思い出した。昔の漫画のシャコタンブギの影響だ。シャコタンブギの世界では、2代目ソアラはニューソアラとして登場している。

そんな思い出に浸っていると、レクサスSCは道を譲ってくれた。

私は、アクセルを踏み込み前に出る。レクサスSCに礼を言うかの様に横に目をやると、黒人が運転していた。私は軽く会釈をした。

妙に、ゴールドのレクサスSCと黒人の組合せがオシャレに見えた。

しかし、会釈が誤解を招いたのかレクサスSCが、私の86の背後にピタッと貼り付いた。

私は、5速へギアを落としアクセルを踏み込み加速して行く。しかし、背後のレクサスSCは離れない。

恐るべしレクサスSC。

そうこうしているうちに、オービス手前まで来てしまった。私は減速し一般車線へ移ると、レクサスSCはフル加速して行く。

その後ろ姿は、とても逞しく見えた。私には、出来ない芸当だ。私は軽く敬意を表した。

不思議と敗北感は無かった。

言い訳だが、生きてる世界が違う気がした。f:id:hide0406:20180911212428j:image

ベンツ&BMW再び

ある朝、私は通勤していた。

高速道路の追越車線を走行していると、数ヶ月前に圧倒的な性能差でチギられたベンツとBMWが、仲良く一般車線を走行していた。

ベンツ&BMWを追抜き様、運転手を横目で見るとどちらも年配の方だった。ひょっとして、2台は友達同士なのだろうか?

私の小さい頃、まだ車はステータスだった。

ベンツやBMWに乗れる人達は、人生の成功者であるという感覚が、私にはまだ残っている。

故に、私はこのベンツ&BMWに乗る運転手には、軽く敬意を持ってしまう。

私もいつかは、其方側へ行ってみたいモノである。が、意外といつかはやって来ないという事も知っている。

追抜きルームミラーに目をやると、私の86の背後にピタッとベンツ&BMWは貼り付いていた。

私は、不敵に笑みを浮かべる。

前回のリベンジの瞬間がやって来た。

前回の私とは違う。何しろ、今の私の86にはスーパーチャージャーと言う秘密兵器が搭載されている。

私は、6速に入れていたギアを5速に落としアクセルを踏み込む。当り前の事だが、前回とはまるで加速が違う。そして6速へギアを入れて、更にアクセルを踏み込む。どんどん力強く加速して行く。

私は、こんな素晴らしい86を造ってくれた、トヨタ&佐藤商会に心から感謝している。

スピードに酔っている私が、ふとルームミラーに目をやると背後に貼り付いていたベンツ&BMWは、姿を消していた。

これは勝利なのか?それとも、途中下車したのか?真実はわからないが、私は都合良く勝利したと思う事にした。

次は、マセラティのグランカブリオだ。f:id:hide0406:20180911152030j:image

明日は我身

お盆休み日中ドライブをしていると、交通事故現場を目撃した。

助手席の嫁は、まるで他人事のように

「事故ってる。お盆に大変だね。」

実際、他人事なのだが。

ゴールド免許の私は車を運転する時、細心の注意を払っている。

今日こそ事故るのではないか?今日こそ事故死するのではないか?と毎回思っている。

バックドアが凹んでいる車が前方を走っていれば、急ブレーキをかける車ではないか?バンパーに無数の擦り傷かあれば、運転手は車の大きさを認識できてないのではないか?等至る所に注意を払っている。おかげで、ここ数十年無事故無違反である。

それに比べ嫁は、ここ数年で二回も車をぶつけている。自動車保険料を支払っている私としては、もう少し気を付けてもらいたいモノだが。

今の所は大事に至らなくて良しとしているが、そのうち大きな事故を起こすのではないかと不安になる。

私から嫁を見ると、危機管理能力が欠落している。

コンコンと説教をするが伝わらない。

私は、事故現場を指差して半ば諦めた口振りで

「これから、事故現場を見かけたら明日の自分だと思って、車を運転してくれ。」

と伝えた。

伝わったかどうか疑問が残るが、嫁は頷いた。f:id:hide0406:20180820120518j:image

 

郡上八幡城

最近嫁は、仕事の事で病んでいた。

私は昨日のサーキット走行会で夏風邪がぶり返していたが、病んでいる嫁には息抜きが必要と思い外へ連れ出す。

私がまず目指したのが、伊賀上野城だった。

高速道路に乗り美合のパーキングエリアで、トイレ休憩をしながら高速道路の情報を得る。

飛鳥〜長島と亀山JCTが、大渋滞していた。

私は急遽目的地を変え、郡上八幡城に向かう事に決めた。

森さんから貰ったナビを頼りに、岐阜県へ向かう。

ナビは、一宮のJCTから北陸道へ向かうルートを示している。私は、東海環状の方が速いような気がするが、ナビを森さんを信じた。案の定、一宮JCTは渋滞していた。

助手席の嫁は、眠りにつこうとしていた。私は、嫁を起こしてナビを頼んだ。

渋滞を抜けて郡上八幡ICで降りると、また渋滞していた。お盆は、何処へ行っても混んでるという事か!私は、郡上八幡城を目指し86を走らす。

城下町は祭りのせいか、浴衣を着た人や観光客で賑わっていた。駐車場も、ほぼ満席だった。私は、不安になった。

しかし、城下の駐車場整理の人に話しかけると

「上の駐車場は空いてるよ。」

私は安心して86で登城したが、この登り坂が悲劇の始まりだった。

勾配がキツく、カーブもキツかった。途中、後輪が浮き空転して前に進めない。そんな時、徒歩で登城してるオバチャンの心無い言葉が、私をイラつかせる。

「こんな車が通るのを待ってたら、日が暮れるわ。先に行こう!」

私は、このオバチャンはロクな死に方しないと思い立往生していると、親切なお兄さんが

「後輪浮いてますよ。私が後ろ見ますから、一度バックして下さい。」

と言って後ろを見てくれた。

私は、

「ありがとうございます。」

と伝え危機を脱した。

まだまだ、日本人も捨てた者ではないと思った。

そしてこの時、二度と郡上八幡城は86では来ないと心に誓った。

そして、郡上八幡城に到着した。

山の上に聳え立つ郡上八幡城は、今まで拝見したお城のベスト10に入る程立派なお城だった。

しかし、お城見学中も私は不安と闘っていた。

登ったという事は、降りなければならない。

下り坂は、どのような道なのだろうか?また、悲劇が待っているのだろうか?

しかし、下り坂は上り坂に比べとても簡単だった。

嫁の休日は一日だけなので、私は急いで帰路に着く。帰りはナビを頼らず、私の思う道を帰る事にした。

東海北陸道を走っていると、槍のような雨が降り出す。俗に言うゲリラ豪雨だ。私は、必要以上にスピードを緩め運転している。

昼食もとらず運転している為、風邪薬も飲めず咳込んでいると、嫁は煙草を吸いながら

「風邪、大丈夫?」

と心配してくれるが、私は怒りを覚えた。

車内の狭い空間で煙草を吸われたら、咳込むのは当然だと思うのだが?嫁は本当に私の心配をしてくれているのだろうか?

東海環状に入る頃、白バイを二台見かけた。高速道路で白バイとは珍しい。

私は心の中で、

「御苦労様です。」

と呟いた。

新東名の岡崎SAで、遅めの昼食をとる。SA、PAは何処もいっぱいだ。

私は嫁に

「今日は、あまり楽しめなかった?」

と問うと嫁は

「楽しかったよ。」

と言ったが、顔は曇っていた。

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サーキット場デビュー

仕事中に一通のメールが届く。お兄ちゃんからだ。

サーキット走行会、18日の土曜日になりました。

私は少し怒りを覚えた。急に休みはとれない。

走行会は、日曜日と言っていたではないか!

そんな私を察してか、お兄ちゃんからもう一通のメールが届く。

12日の日曜日はどうですか?との事。

私は、直ぐにOKの返信した。

この話を職場の先輩元走り屋の池田さんに話すと、わざわざスーパーフォミュラーのDVDを貸してくれた。

走行会前夜、私は遠足前日の小学生の様になかなか寝付けなかった。

池田さんに借りたDVDを何回も見直す。

イメージトレーニングは、バッチリだ。

12日早朝、目覚まし時計が鳴る。

目覚まし時計を止め、洗面所で顔を洗い眠気を飛ばす。だが、まだ戦闘モードに入らない。

出掛ける準備をし、86に乗り込む。

集合場所の三ヶ日インターに向かう。

私が集合場所に着くと、お兄ちゃんと単車チームの中でライバルのマメさんが居た。マメさんは、今日ギャラリーで来ていた。

そして、遅れてお兄ちゃんの友達がランサーに乗って現れた。今日は、この3人で走行会らしい。

サーキット場は、モーターランド三河

お兄ちゃんの後に続き、モーターランド三河を目指す。

私は、ある疑問を抱く。

集合場所が三ヶ日インターなのに、何故下道で新城を目指すのか?

しかしそこは黙って、RX-8について行く。

道中猿に出くわしたり、対向車とすれ違えない道を走ったりと目的地に着くまでに疲れてしまった。

しかし、モーターランド三河に着くとボルテージが高まってきた。

早速、受付を済ませ一服しているとお兄ちゃんは車から、色々外したり降ろし始めた。

話を聞くと、1秒でもタイムを縮める為らしい。

私は初めての為、そのまま走る事に決めた。

一緒に走行するグループは、私達3人の他にミニクーパーの2人組だけだった。

私は迷惑にならないよう、1番最後に出走した。

最初は無我夢中で走るが、RX-8を筆頭に次々抜かれてしまう。気付くと40分は経っていた。一度ピットに戻ると、お兄ちゃんに

「2速で走ってみると良いよ。」

とアドバイスしてくれた。

私は、ずっと3速で走っていた。

2速で走行してみると、エンジンが唸る。

そして、ストレートで全開にすると殺人的な加速をする86。今まで、私に見せた事の無い顔を覗かせる。

しかし走行時間は1時間の為、アッという間に終わってしまった。もう少し走っていたかったが、これ以上集中力が持ちそうにないので、今日のところはこれにて終了する。すると、待ってたかのように槍の様な雨が降り出した。

私は86を駐車場に置き一服していると、次のグループが出走し出した。次のグループは、ドリフト走行だった。今まで、画面の中でしか見た事がなかったが、ドリフトの迫力に驚いた。

しかしそれ以上に、外人達のワイルドさに驚愕を隠せなかった。

ドリフト走行の殆どが、外人だった。

ぶつける前提なのか、殆どの車がフロントバンパーを外している。

マフラーが外れれば手で強引に外し、油温が上がればエンジンに直接水をかけ冷やす始末。

日本人とは、スケールの違いを見せつけられる。

私達はエンジンを冷やすのに、ボンネットを開けるぐらいしか思いつかない。

私は何故か、恥ずかしくなった。

そして、タイヤとアスファルトから出る白煙で夏風邪がぶり返す。

私達は、ドリフトを堪能してサーキット場を後にした。私は、次のサーキット走行も誘ってもらえるよう約束した。

どうやら私は、サーキット走行にハマってしまったらしい。f:id:hide0406:20180814112005j:image
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謝罪

私は、内山に謝らなければならなかった。

それは、前回内山のせいにしてしまった助手席ドアの傷を付けた犯人らしき人間が、分かってしまったのだ。

私は家に帰り、早速内山に電話した。しかし、内山は電話に出ない。

もう寝ようかと思った時に電話が鳴った。内山からだ。私は、空かさず電話に出た。

「内山さん、すいませんでした。」

そして理由を話、修理代も私が支払う旨を伝えた。

内山の胸中は分からないが、謝罪する事によって私の気は済んだ。

私の中で謝罪は、私の自己満足でしかないと考えている。誰もが、相手の胸中は分からないからだ。相手がいくら許したと言っても、心の底ではどう思っているか分からないモノである。

そして話しは変わるが、私はサスペンションの性能を最大限に発揮できると言われるTRDのメンバーブレースセットの取付を、内山に依頼した。サーキット走行前の最後の足掻きだった。

TRDのメンバーブレースセットを注文した後、TRDのサイトを詳しく見ていると、フロントストラットタワーバーを同時装着推奨と書いてある。

私は、慌てて内山にTRDのフロントストラットタワーバーも注文した。

取り付け後、高速道路や峠を走行してみた。違いは分かるのだが、表現の仕方が分からない。己の表現力の無さに嘆く。誰か、このセットを取り付けて表現してみて欲しい。f:id:hide0406:20180812193725j:image

 

宴の代償

目が覚めると、時計の針は9時を指していた。

少し焦った。チェックアウトの時間を確認すると、まだ少し余裕があった。そして、朝食もまだ食べれる時間だった。

私は食堂に向かった。

食堂のおばちゃんに挨拶をしようとした時、初めて気付いた。声が出ない事に。

私は、昨夜の事を思い出す。調子に乗って、カラオケを歌い続けていた。

私は会釈して、席に着いた。

朝から、カレーが用意されていた。

私はカレーを頬張った。

朝食を終え、フロントの従業員に尋ねる。

「前回宿泊した時に携帯電話の充電機を忘れて行ったのですが、忘れ物は残してないですよね?」

するとフロントの従業員は、

「すいません。無いです。今回は、充電機ありますか?無ければ、貸出しますよ。」

私は驚いた。そんなシステムがあるなんて!

そして、私はチェックアウトして86に乗り込む。

私は、沼津駅から愛鷹PAを経て高速道路に乗る道が大好きだ。

程良い山道がある。そして、大好きな高速道路だ!

予想通り、山道は空いている。攻めるわけではないが、余裕のある速度で右へ左へハンドルを切る。

アッと言う間に山道が終わり、愛鷹PAに着いてしまった。少し物足りないが、何事も腹8分目の私だ。調子に乗る前に山道が終わって、幸運だと思わねば!

愛鷹PAで一服をし、おまじないをする。

これは、漫画の影響だ。

私は、ローギアに入れ走り出す。

高速道路は、渋滞こそしていないが混んでいた。

私は、大人しく一般車線をクルージングしていた。

そこへ、横暴な運転をするシルバーのベンツとグレーのハイエースが現れた。

私は、呆気にとられた。

こんなに混雑しているのに、強引に何台抜こうが何時間変わるのだろうか?命を落すリスクのほうが高いのではないのか?

と考えていたが、気付くとグレーのハイエースの後ろに付いていた。

1台前のベンツを見ると、時折ハイエースと差が付く。流石ベンツ、速いなぁ。

私の小さい頃、ベンツは憧れの車だった。まだ車がステイタスだった時代だ。今では、ただの移動手段に成り下がってしまった。

私も機会があれば、ベンツを所有してみたいと思っている。

気付くと、自宅付近だった。

私は、ベンツとハイエースに頑張ってくれとエールを贈り高速道路を降りた。

不思議なモノだ。出逢った時は批判的だったのに、別れ際には愛着が湧いていた。

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