私の86感

私の愛車の物語です。

慈悲尾って、何て読む?

正月休みに入って2日目。

職場の同僚の小林さんのお父さんの御通夜に向かわなければならなかった。

職場の同僚の渡辺さんから、御通夜の内容をLINEで送ってもらう。

内容に目を通すも、地名が読めない。

慈悲尾?静岡市のドコ?

浜松市在住の私には、聞いた事も無い。

ネットで調べ、ようやく解る。

しいのお、と読むらしい。

ネットとは、便利なモノだ。

当日、渡辺さんにLINEして何時頃伺うか確認するも、返事が来ない。

私は携帯ナビで住所を検索し、余裕を持って2時間前から86に火を入れる。

実家に寄り礼服に着替え、静岡市へ向かう。

ルートは、迷う事無く新東名高速道路を選択する。

森のスマートインターから、高速道路に乗る。

時間に余裕のある私は、高速道路の最低速度で走行する。様々な車が、私の86を抜いて行く。

たまには、こんな走りも良いモノだ。

すると、初心者マークを付けた現行のベンツのセダンが86を追い抜いて行った。

久しぶりに、衝撃を受けた。

静岡SAのスマートインターを降りて、静岡SAの駐車場に車を停めた。

時間に余裕がある為、静岡SAで一服する。

携帯電話に目をやると、渡辺さんから返事が来ていた。5時半頃に、到着するとの事。

時間を見計らって、静岡SAを出発する。

目的地のあいネットホール慈悲尾月光に到着すると、ドコかで見ていたかのように携帯電話が鳴る。

親友の鶴見から、呑みの誘いだ。

私は電話を切り、渡辺さんに電話する。

渡辺さんは、既に帰路に着いていた。5時半前だというのに。

私は、渡辺さんに嫌われているのだろうか?それとも、待っていてくれると思っていた私が甘かったのか?

そんな事を考えながら場内に入ると、小林さんは暖かく迎えてくれた。

父親を亡くし大変だろうに、そんな素振りは微塵にも見せなかった。

もし私が同じ立場に立つ時、小林さんの様な振る舞いができるだろうか?

小林さんの行動には、時々考えさせられる事がある。

御線香を上げ手を合わせ拝み終わると、小林さんは外まで出て見送ってくれた。

そして私は、帰路に着く。

帰りのルートは行きとは違い、東名高速道路を選択する。帰りも、のんびりと運転する。

何故か、気が乗らない。

私は、この理由の無い感覚を大事にしている。

この様な時は、いくら走っても楽しめない。

家に着く頃、今一度鶴見から携帯電話が鳴る。

この男は、本当にタイミングが良い。

そして私は、親友鶴見と浜松の夜に消えて行った。

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